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フィデリティ投信は「ストラテジック・インカム・ファンドAコース(為替ヘッジ付き)」には「潜在的なニーズが大きい」として積極的なアピールを開始した。日本では、従来は為替ヘッジのない外債ファンドが人気の中心だったが、急速に進んだ円高などによってパフォーマンスが悪化し、個人投資家の「投信離れ」の一因になっている。フィデリティ投信の商品マーケティング部長の太田創氏は、「ストラテジック・インカム・ファンドAコースは、過去10年間で年率3.61%(累積42.55%)の運用実績がある。日本国債利回りが10年もので1%程度である現在、安定した運用成果を求める投資家の皆様に十分な魅力を感じていただける」と語る。インタビューの要旨は、以下のとおり。

――従来は外債に投資するファンドでは、「為替ヘッジなし」を選ぶことが一般的に行なわれていました。「為替ヘッジ付き」の外債ファンドを改めてクローズアップされる理由は?
  外国債券の運用収益に加えて、為替差益を乗せて収益を拡大させるという考え方は、ひとつの考え方ですし、それを否定するものではありません。ただ、日本では、為替が円安局面に動いた2−3年(2005年〜2007年)の間に毎月分配型の外債ファンド(為替ヘッジなし)が大ブームになったために、外国債券に投資するのは為替ヘッジをしないのが当たり前という風潮があります。しかしながら、長期的な観点では為替ヘッジを付けても堅実なパフォーマンスが出せるファンドがあることにも気付いていただきたいと思っています。

  また、為替をヘッジすると、「ヘッジコスト」がかかります。たとえば、米国の債券に投資する場合は、日米の短期金利の差(米国金利−日本金利)に等しいくらいのヘッジ費用がかかります。ところが、先進国を中心として世界的に金利水準が低下した結果、たとえば、日米はともにゼロ金利政策を取っている関係で、金利差はほとんどありません。したがって、ヘッジ費用もほとんどかからない状況になっています。

  さらに、2011年の円高によって、日本では海外の資産クラスへの投資にあたって「為替リスクはとりたくない」というニーズが高まっているように感じます。そのような投資家の方々には「為替ヘッジ付き」という選択肢も検討いただけると思います。

――「ストラテジック・インカム・ファンド・Aコース(為替ヘッジ付き)」の運用成績は?
  このファンドは、1998年9月30日の設定なので13年あまりの運用実績があります。2011年12月末時点でトータルリターン(信託報酬控除後、収益分配金を再投資した場合、販売手数料および税金は考慮せず)は、過去10年間で累積42.55%(年率換算利回りが3.61%)、過去5年では同18.98%(同3.54%)、過去3年で同34.68%(同10.43%)になっています。

  過去10年の間には、イラク戦争(2003年5月に米国が戦闘終了宣言)、サブプライムローン問題の顕在化(2007年8月)、リーマンショック(2008年9月)などが起き、2010年4月にギリシャがEUなどに金融支援を求めてから続く欧州債務危機の問題がありました。この間は、世界の株式市場や債券市場が大きく動いたのですが、そのような中にあっても、堅実な運用成績を残すことができています。

――ファンドの運用方針は?
  債券の中で性格が異なる4つの資産クラスに分散して投資する戦略を採っています。具体的には、資産の基本配分は、米国債に15%、先進国債券(日本と米国を除く)に15%、米国ハイ・イールド債券に40%、エマージング債券に30%という比率になっています。米国モーニングスター社では、こうしたカテゴリーを「マルチ・セクター・ボンド」に分類していますが、まだ日本では馴染みが少ない運用手法です。日本では、外国債券に投資する場合は、「先進国の国債」または「エマージング債券」など、単一の債券クラスに投資することが一般的に行われてきました。

  債券の中でも複数の資産クラスに投資することによって、分散効果が表れて運用が安定するということが知られています。たとえば、米国ハイ・イールド債券は株式市場との連動性があり、株価が高い時に値上がりする傾向があります。反対に、米国国債は株価が下落局面にある場合に資金の逃避先として値上がりする傾向があります。一方、エマージング債券は値動きは大きいものの、高い利回りが期待できます。このような債券の性格の違いを踏まえて、分散投資することによって、さまざまな市況環境の変化にも対応することが可能になります。

  実際に、リーマン・ショック以降、アメリカでもマルチ・セクター・ボンドへの投資ニーズは高まり、「Fidelity Strategic Income Fund」「Fidelity Advisor Strategic Income Fund」の合計資産残高は、2008年後半から2011年10月末までの約3年間で約187億ドル(約1兆4400億円)へと倍増しました。アメリカのオープンエンド型投資信託全体に占める2ファンドのシェアも2001年9月に0.009%だったものが2011年9月には0.17%と10年間で18倍に拡大しています。このアメリカで残高を伸ばした2つのファンドは、マルチ・セクター・ボンドに分類される代表的なファンドです。

  日本で設定・運用している「フィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンドAコース(為替ヘッジ付き)」は、アメリカで残高が増えた2つのファンドと同じ運用チームが同じ運用スキームで運用しているファンドです。現在の金利水準から考えれば極めて低いコストで為替ヘッジを行っていることから、ドル建てで得られている収益と同水準の運用成果を、円建てでも得ることができます。

――ファンドのリスクと、信託報酬などのコストは?
  ファンドの運用は、基本配分比率をベースにしながら安定的に行っています。米国ハイ・イールド債券の銘柄選択の巧拙が運用成績に与える影響が大きく、銘柄の選定にはフィデリティの調査力を生かしたボトムアップの力が発揮されるところといえます。一方、株価が大きく下落する、あるいは、リーマン・ショックのような世界的な市場混乱が起こった場合は、ハイ・イールド債券やエマージング債券には下落圧力が強くなります。

  信託報酬は純資産総額に対して年率1.5015%(税抜き1.43%)以内。販売手数料の上限は2.1%(税抜き2.0%)以内で、販売会社によって異なります。東海東京証券、フィデリティ証券など計11の販売会社で取り扱っていますが、現在、さらに取り扱いを検討いただいている販売会社があります。

――フィデリティ退職・投資教育研究所では、老後資金を確保するカギとして、「退職金を使いながら運用する」ということを提言し、ひとつのイメージとして、年率3%程度の収益率で資産を運用しながら毎月4%ずつ定率で資金を取り崩すことを提案している。今回のファンドは、このような提言に基づいて、退職者向けに提案するファンドとして位置づけているのか?

  特に退職者向けに限定して提案するものではありません。年換算利回りで3%台という収益率は、リスクをとって運用するという観点から、物足りなさを感じる投資家の方も少なくないと思います。ただ、日本国債が10年もので1%程度の利回りになってしまっている現在、長期にわたって安定的な収益を残せるというファンドの価値は、評価していただけると思います。実際、このファンドはモーニングスター社の「ファンド・オブ・ザ・イヤー2010」で優秀ファンド賞(国際債券型部門)を受賞しています。

  また、これからは円安になるとお考えの場合は、「ヘッジなし」を選択される方法もあると思います。リスクとリターンの関係を良くご検討いただいて、為替変動のリスクを避けながら、長期で安定的な収益を求められる場合に、「フィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンドAコース(為替ヘッジ付き)」を検討していただきたい。投信積み立ての対象ファンドとしても魅力的なファンドの一つになると思います
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